結婚や出産などの慶事に際して、お祝いを頂いた方へ「お返し」をすること。
「内祝い」については、そういった認識の方が多いかと思います。
今回は、内祝いの本来の意味や、内祝いをする場合のマナーをご紹介していきます。
内祝いとは「身内のお祝い」ということで、自分の家で慶事があったときに周囲の人に対して「幸せのおすそわけ」をする風習であるのが、本来の意味です。ですから、お祝いに対する「お返し」とは、少し意味合いが違います。お祝いを頂いていない方にも、贈っていいのです。
とはいえ、現実的には、お祝いを頂いていない方に贈るとかえって相手に気を遣わせてしまうことも。ですから、現代ではほぼ「内祝い=お祝いへのお返し」ということで、浸透しています。
内祝いを贈る機会としては、以下のようなものがあります。
●結婚内祝い
●出産内祝い
●新築内祝い
●快気内祝い
●開店・開業内祝い
●初節句内祝い
通常、初節句や七五三、入学など「子どもの成長」に関するお祝いには、お返しは不要とされています。ただし「内祝い」であれば、お贈りできるのです。
お祝いを頂くような慶事に関しては、内祝いへの心構えをしておくようにしましょう。
内祝いで贈る品物の予算相場は、頂いたお祝いの品の半額(半返し)から1/3程度とするのが一般的です。ですが、それぞれのお祝いの品に対してすべてそのルールで対応するのは煩雑で大変ですよね。ですから、「親族にはこの予算」「友人にはこの予算」など、ある程度一律に決めてお贈りしても問題はありません。
その上で、とりわけ高額のお祝いを頂いた方に対しては、少し手厚い予算で決める、丁寧なお礼状を添えるなどの配慮をしましょう。
一般的に、結婚式や披露宴に列席してくれた方へのお返しは、引き出物で充分です。しかしながら、ご祝儀以外にプレゼントも頂いた、相場よりも高額なご祝儀を頂いた、などの場合には、後日に内祝いを贈ることもよいでしょう。
結婚内祝いでも出産内祝いでも、挙式や出産を無事に終えてから1ヶ月後以内にお贈りするのが基本マナーです。
ひとつだけ気をつけたいのは喪中の方へのお返し。そのケースだけは喪明け(四十九日経過後)以降を目安にお贈りするようにしましょう。その際、のし紙などの表書きには「祝」の文字を使わないのが鉄則。「御礼」などとします。
従来は手渡しで直接感謝を伝えることが大切とされてきましたが、それぞれが忙しく過ごしている現代においては、手間がかかりすぎますし、逆に相手のご迷惑になることも。ですので、郵送などで贈ることも、決して失礼ではありません。
また、最近ではソーシャルギフトという手段もあります。これは、贈る人がギフトの受け取り用のURLを相手に知らせ、受け取る人が都合の良い送付先や受け取り希望日時を入力するという、新しいギフトの贈り方。さらに、メッセージで感謝の気持ちも添えることができるので、相手をわずらわせることなく、しかも心のこもったお返しができ、とても便利な方法です。SNSやメールで連絡が取れる方には利用できますので、たとえば友人などへの内祝いには大いに活用できると思います。
慶事などのご進物に用いられる水引は、大きく分けて2種類あります。ひとつは結びなおすことができない「結びきり」、もうひとつはほどいて何回も結べる「花結び(蝶結び)」です。結婚など1回だけのお祝いにすべきものは「結びきり」、出産など何回あってもおめでたい慶事には「花結び」を選びます。この意味を押さえておけば、ほかの慶事にも対応しやすいですよね。
名入れについては、出産内祝いの場合は、赤ちゃんの名前を入れるのが一般的です。
一般的にフォーマルなギフトには熨斗をつけるべきとされていますが、内祝いなどで1000円程度のプチ予算の品物で、かつ気のおけない友人に贈るものであれば、かわいいラッピングやリボンなどで代用しても問題ありません。
内祝いの難しいところは、さまざまな年齢、性別、関係性のある方々へのお返しギフトになるということ。また、頂いた品物の金額も一律ではありません。だからといって全部個別で対応するというのは現実的ではないので、ある程度対象や頂いたものもの金額でギフトの品を分類して、あらかじめ数種類を準備しておくのが、賢い方法です。
そして、年齢や性別にあまり影響されない、汎用性のある品物を選ぶようにしましょう。
前述したように、贈る相手のパーソナリティーにあまり影響をされない、どなたからも喜ばれるギフトを選ぶことが大切です。具体的には美味しいスイーツや飲み物、家族だれでも使えるタオルやリラクゼーショングッズなどをお選び頂くとよいでしょう。