太田さんたち『Cat’s ISSUE』は、オリジナルグッズの企画・販売やイベント開催などを通じて、猫たちとの暮らしをもっと便利で楽しいものにアップデートするためのさまざまなアクションを実施しています。なかでも、猫好きクリエイターたちとのコラボレーション商品には、猫の性質や特徴を独自の視点でとらえたユニークなものがラインアップ。

「“やさしくくわえてね”と描かれたミニクッションは、現代アーティスト・加賀美 健さんとコラボした商品。“くわえる”のは犬特有の習性で、猫の場合は抱えて蹴りけりするのですが、犬派の加賀美さんならではの発想が逆におもしろいなと思いました。“ネコが入ってます”トートバッグは平山昌尚（HIMAA）さん。絵本作家・石黒亜矢子さんにイラストを描き下ろしていただいたイエローのボックス型貯金箱カレンダーは、“幸運のシンボル”とされる三毛猫のアートワークと八卦鏡をあしらった最強開運アイテム。開運日にお金を貯めていくと、12月31日までに￥22,222（ニャー並び）が貯金できます。ガラスのボトルオブジェは猫の髭入れで、抜けた髭を入れていくと、中でフワッと広がって花火のように美しくディスプレイできるんです」

また、日めくりカレンダーは、日ごろから『Cat’s ISSUE』の活動に賛同し、モデルとなってくれている猫たちが総出演するオールスター仕様。毎日1枚ずつはがしながら使うものですが、飼い主さんたち渾身の猫写真が次から次に登場するため、捨てるのがもったいないほど！ ハムスターや小鳥といったほかの小動物と共存する猫たちや、老夫婦と猫といった多様なライフスタイルを楽しんでいる飼い主たちの愛情であふれています。

「猫がいるご家庭それぞれのライフスタイルをおもしろ楽しくご紹介することで、家やインテリアなどの住環境・食事や排泄やしつけ・お世話になる動物病院の見つけ方やつき合い方・ペット保険の選び方・動物たちと出合うためのアプローチ方法など、猫にとっても飼い主にとってもハッピーで便利な暮らしにアップデートするためのヒントを提供できればいいな思っているんです。昔ながらの飼い方では現代の生活に合わなくなっていますから、私たち『Cat’s ISSUE』の活動を通じて、問題点を見直したり、時代に合った猫とのよりよい暮らしを実現するきっかけが作れればと思います」

『Cat’s ISSUE』スタート当初は、活動収益の一部を保護猫活動団体などへ寄付するなどして還元していましたが、2023年に設立10周年を迎えたのを機に、お金で動物愛護に貢献するよりも、“猫と楽しく共存したい人を増やす”ためのアクションに軸をシフトしていきたいと考えている最中です。

「猫との暮らしをおもしろがりながら表現していく中で、『血統書つきではないことや、模様がめちゃくちゃ変なことが、逆に個性的で可愛い』ことを、多くのみなさんに知っていただけたらと思うんです。いっそ変な柄の猫ブームを仕掛けたいくらい。コムタンも、鼻とあごの下のシミのような模様がハンディとなって生体販売流通の枠から外れてしまった猫でしたが、逆にそれが唯一無二の個性となり、みなさんに可愛がっていただきました。“神様のいたずら”といわれる柄や毛並みだけでなく、体型が丸いのか細身なのか、マズルが長いのか短いのか、性格はやんちゃなのかおとなしいのかなど、“美しい”とされる猫の基準は人によって異なります。さまざまな美のとらえ方や考え方を広めていきたい。どんな猫であっても、独自のチャームポイントを見出してSNSなどで発信してくれる飼い主がいれば、その猫だけが持つ可愛らしさをみんなでシェアできてうれしくなりますよね。猫との生活をクリエイティブな視点でとらえ、その存在に感謝しながら、楽しく暮らすアイデアをみんなで考え、実践していく場を共有できたらいいなと思っています」