『AFTERNOON TEA JOURNAL』は、心の贅沢を愉しむ方々をゲストにお招きし、生活をちょっと豊かにするアイデアやインスピレーションをお届けするライフスタイルメディアです。

今回は、フランスを代表するアーティスト、ナタリー・レテさんをゲストにお招きし、パリのアトリエで行ったスペシャルインタビューを全7回にわたってお届け。Afternoon Tea LIVINGとのコラボレーション・コレクションの背景から、彼女の創作の源まで、さまざまなテーマに迫ります。第1回目は、誕生から独立まで、彼女が唯一無二のアーティストとして立身するまでの経緯を追います。

ポップでシニカル!
おとぎ話のような世界観
作り出すアーティスト

ナタリーさんは、パリ生まれのアーティストで、独自の世界観と多彩な技法で知られています。

彼女の作品に登場するモチーフは、自然・動物・花といった、生活にごく身近な要素。そこに彼女の豊かな感性が絶妙なバランスでミックスされ、ポエティックな独特の世界観が広がっています。テキスタイル・陶器・版画など、さまざまな素材や技法を使い、ジャンルを超えた表現を追求してきました。
私は常に、物語を紡ぐように作品を作っています。幼いころに空想で作った物語が、今のアートの基盤になっているんです」と彼女は語ります。

3つのルーツから生まれる
ファンタジーな世界観

パリで生まれたナタリーさんは、幼少期からアートに触れて育ちました。

ナタリーさんとご両親

彼女はひとりっ子で、想像力豊かな幼少期を過ごしたそう。「家でひとり遊びをしながら物語を作り出し、空想の世界を広げていました」と回想します。この経験が、彼女が生み出す独特なファンタジーの基盤となり、のちの創作に大きな影響を与えました。

ナタリーさんの母はチェコスロバキア出身で、のちにドイツのバイエルン地方に移り住みました。一方、父は中国出身。「母は、東欧のフォークアートや花のモチーフを愛し、父は中国の鳥や花を描いた絹の絵を家に飾っていました。こうした影響が作品に表れていると思います」とナタリーさんは振り返ります。

このように、彼女の作品には異文化の要素が巧みに融合されています。

アーティストとしての道を
切り開いた最初の一歩

ナタリーさんがアートの道を本格的に目指すようになったのは、パリの美術学校でファッションとアートを学び始めたころ。

アートスクール時代のナタリーさん

20歳のころ、美術学校でファッションを学び、そこでリトグラフの技術も習得しました。自分の絵を紙に印刷する技術に惹かれ、そこからさまざまな分野で作品を作り始めました」と、初期のキャリアを振り返ります。

学生時代からの友人であるマティアス・ロベールさんとのタッグで製作した段ボールアートが脚光を浴び、プロへの道が拓けます 
Photo : Jo Magrean

その後、ギャラリーでの展示を経て、彼女は自身のアートを製品として発表し始めました。彼女が最初に手掛けたのは、Tシャツやシルクスクリーンを使用した小さなノートブックなどで、「最初はすべて自分の手で作り、販売も自分で行っていました」と彼女は話します。

こうして彼女のアーティストとしての道が開かれ、徐々に企業からのコラボレーションの依頼が増え、インターナショナルな展開が始まったのです。現在では30年以上にわたるキャリアを通して、彼女の作品は世界中のギャラリーや展示会で高く評価されています。

次回、11月20日(水)に公開予定の連載第2回目は、
Afternoon Tea LIVINGとのコラボレーションについて
ご紹介します。お楽しみに!

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