AfternoonTea to travel 旅するアフタヌーンティー静岡「小山園」

アフタヌーンティー・リビングの日本各地を巡る旅。
丁寧にものつくりを行う生産者との出会いや、ふっと肩の力が抜けるようなすてきな街や風景との出会い。
いくつもの出会いの中から、なんでもない一日を彩る、モノ、コトを全国のショップスタッフと一緒に紹介します。

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ABOUT

今回訪れたのはお茶どころ静岡にある「小山園茶舗」。

小山園茶舗は、家康公が隠居後に住んだ駿府城の城下町にあり、駅近くにも「茶町」という地名があるくらいお茶を生業にする産業が多い地域です。JR静岡駅から車で一時間半ほど山道を登った先の有東木(うとうぎ)地区は、わさび栽培発祥の地としても有名な場所。水のせせらぎと鳥のさえずりが響く山の斜面には、お茶の木が縞模様のように並んでいます。訪れたのは八十八夜を少し過ぎた頃ですが、まだ収穫期。美しくやわらかな新芽が木々の先に光っています。

お茶の街・静岡で生まれ育ったからこそ、生産者の高齢化による後継ぎ問題や、地元でも若い人が茶葉からお茶を入れて飲む機会がどんどん減っていることに強く危機感を感じ、何かできることはないだろうかと、小山園茶舗が新しく手掛けたのが「Koyama & Kocuu Tea Maker」。日本茶とハーブを組み合わせて提案することや、あまり知られていないお茶のスペシャリスト茶師(ちゃし)や、お茶農家の方の思いを伝えることで、普段お茶に触れる機会が少ない世代にもお茶について興味を持ってもらい、新しいお茶の楽しみ方を知ってほしいとの願いがこめられたブランドです。

小山園

株式会社小山園茶舗
慶応元年(1865年)創業。「小山園で初めて知ったお茶の味」この言葉と共に、製茶問屋直営の老舗として製造から販売まで、古くから親しまれてきた日本茶の確かな味を伝える、日本茶専門店。

Koyama&Kocuu Tea Maker

小山園が手掛ける、茶師と調香師という異なる分野のスペシャリスト二人の感性が合わさり、生まれたティーメイカー。お茶と、今までにない何かを組み合わせることで、新たなお茶の楽しみの提案を行っている。

茶師:藤田浩介

茶師九段位。小山園の茶師として伝統の技術を継承し、「茶文化の進化」を理念に日々挑戦を続けている。
・第63回全国茶審査技術競技大会において農林水産大臣賞受賞
・第52回静岡茶品評会において農林水産大臣賞受賞

調香師:内堀洋已

イギリスでの生活と、香りの町と呼ばれる南フランスのグラースで調香師にて調香を学ぶ。
株式会社穀雨では、おいしいものを食べたり、好きな音楽を楽しむように、香りも「癒し」の一つの引き出しとして広めたいと願って、商品開発を行っている

お茶づくりについて

お茶づくりの現場に訪れて初めて知ったのは、わたしたちの見慣れたお茶が出来上がるまでには思った以上に様々な工程を経ているということ。大切に育てられた茶葉は農家の方によって、収穫後すぐに蒸して、揉んで、乾燥させた「荒茶(あらちゃ)」という状態にします。揉み、乾燥も一度ではなく何度も繰り返します。工程のひとつひとつにも茶葉の性質やその時々の気候に応じた職人技が光ります。荒茶の状態で納品された茶葉の加工が茶師さんの腕の見せ所です。

有東木地区で先祖代々500年にわたり栽培を行っている宮原さん。宮原さんのお茶畑は有東木地区の斜面にあります。山間部は日当たりが少ないため、渋みの少ない柔らかな茶葉が採れるそう。宮原さんの熟練の作業により浅蒸しで仕上げた荒茶は、針のようにそろった美しい見た目で、お湯を入れるとふわっと大きく広がります。

STEP1 仕入れ

茶師の最初の仕事は、良い荒茶を選別して仕入れること。味や香りはもちろん、見た目や水色など、 長年の経験と感覚を活かして見極めていきます。収穫期には朝4時から選別をはじめることも。

STEP2 ふるい分け

仕入れた荒茶は、形が不揃いな状態。茎や細かい粉末を取り除き、荒茶の質や大きさを「ふるい分け」し、形を整えます。

STEP3 火入れ

お茶独特の風味を引き出し、保存性を高める「火入れ」。香りを最大限に引き出すために、1回ごとに乾燥させる時間や温度を調整するのも茶師の仕事。同じ農園の茶葉でも季節や茶葉の状態で火入れは変わります。

STEP4 合組(ごうぐみ)

香りや味、水色など、茶葉によるさまざまな違い。それぞれの長所が引き立つようバランスよく組み合わせることが合組です。お客様の顔を思い浮かべながら、いくつもの組み合わせを試し、単一のお茶にない味や香りを引き出していきます。

宮原さんと薔薇

日本茶に薔薇を組み合わせたハーブティー。
優しく香る薔薇の香りと、お茶を入れる時間も含めて、豊かな時間を過ごしてほしいという思いで作られました。
上品な缶入りでギフトでも喜んでいただけそうです。

調香師の内堀さんが、まず思いついたのは華やかなお花と日本茶を組みあわせ。薔薇やジャスミン、ドライのりんごなど様々なお花や果実のハーブと日本茶の組み合わせを茶師の藤田さんと試してみたそうです。その中で二人がおいしい!と感じたのが宮原さんの作る茶葉と、マダガスカル産の薔薇のつぼみの組み合わせでした。
ハーブティーは茶葉とハーブがブレンドされたものが多いなか、「宮原さんと薔薇」は緑茶と薔薇のつぼみを別々に添えています。お茶の入れ方についても試行錯誤を重ねた結果、薔薇のつぼみの香りをうつしたお湯でお茶をポットで入れる方法が、緑茶と薔薇の両方の風味を感じることができ、一番おいしいという結果に至ったそう。薔薇のつぼみがふわりと浮かぶティーカップは豊かな時間を過ごすのにぴったりです。

スタッフおすすめポイント!STAFF COMMENT

緑茶と薔薇と聞くと想像しにくい組み合わせですが、飲むと驚くほど調和が取れている新感覚のハーブティー。飲むと薔薇の味は控えめですが、鼻から抜ける上品な薔薇の香りが絶妙なバランスで薔薇や緑茶が好きな方はもちろん、苦手な方にも是非味わって頂きたいです。

煎茶/ほうじ茶

デイリーに気軽にお茶に親しんでほしいと考えられた、ベーシックシリーズ。
毎日飲むものほど、安心なものを届けたいという思いから、農薬、化学肥料不使用の茶葉の使用にこだわったそう。マグカップやマイボトルで飲みやすいティーバッグタイプ。ナチュラルなパッケージに、端切れのリネンをリボンとして使用しています。

スタッフおすすめポイント!STAFF COMMENT

煎茶は程よい甘味とすっきりとした味わい、ほうじ茶は優しい甘味です。
風味と香りのプロが共同開発した本格的なお茶がティーバッグになっている為お手軽に楽しむことが出来ます。リボンのハギレはひとつずつ異なり、ナチュラルなパッケージはギフトにもおすすめです!

STAFF Recommended spot スタッフおすすめスポットをご紹介!

アフタヌーンティー・リビング静岡伊勢丹店スタッフ

日本平からの景色は日本夜景遺産に認定され、手前に広がる市街地や清水港、遠くには富士山や三保松原、北側には南アルプスと360度美しい景色を眺望できます。
近くには動物園や久能山東照宮まで繋がるロープウェイもあり、1日中楽しむことが出来ます!

※上記記載の価格はすべて、 税込み価格です。

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