重箱に詰められた美しいおせち料理は、大切にしたい食文化のひとつです。2021年は今までと趣向を変えて、家族や親しい友人とひとり一皿のワンプレートおせちで、お正月の味を新しいスタイルで取り入れてみてはいかがでしょう。いろいろな器を組み合わせたり、盛り付けを工夫したり、重箱とはまた違う楽しみが増えそうです。
洋風・和風の料理別に、器の選び方から、盛り付けのポイントまで、目にもおいしいワンプレートおせちのコーディネートをご提案します。
平らな面の多いシンプルなプレートでモダンに
メインには、他を邪魔しない、料理も映えるシンプルな大きめのプレートを選んで、いろいろな色や形の豆皿との組み合わせを楽しみましょう。何にでも合わせやすい、白い薄手のプレートは、シャープな印象で和洋どちらの料理とも相性抜群です。もう一つは、和モチーフの石川県山中塗の黒い菊型プレートで大人っぽいモダンな一皿を。平らな面が多いと小鉢や豆皿を乗せたりできるので盛り付けの幅も広がります。
主役を決めて、対角線上に同色の料理を配置
まず、プレートの中央にテリーヌを置き、高さを出します。中心が決まったら、鴨のローストとスモークサーモンを。対角線上に同じ色味の具材がくるように並べると、同じ色同士が隣合わせにならず、全体を立体的に盛り付けることができます。また、プレートが窮屈にならないよう、縁から1cmほど空けて置くのを心がけましょう。黒豆など汁気のあるものは小鉢に入れて盛り付けると、高さに変化がついてアクセントになります。
プレートを生かして小皿や小鉢と組み合わせる
菊型プレートは縁の装飾を生かすため、具材の数を絞り3点盛りをイメージして、シンプルに盛り付けます。大きな海老を主役に中央手前に配し、位置を決めたら、奥に田作りで高さを出して、その隣に適量の数の子を並べます。
お揃いの小さな菊皿プレートには、果肉をくりぬいた柚子を器に見立て、その中になますといくらを盛ります。
トッピングの色と動きで余白を演出
そして、最後の仕上げのひと工夫もポイントです。洋風おせちはテリーヌの上にイタリアンパセリを飾ってグリーンの彩りをプラスしたり、サーモンにケッパーをトッピングしたり、和風おせちには木の芽を添えたりして、色や形でお皿の余白を埋めて動きを出しましょう。鴨のローストには、ライン状にアーティチョークのペーストなどをかけると本格的な印象になります。
おめでたい豆皿や箸でさらに彩りを
料理をセッティングしたら、お醤油や薬味を入れる豆皿や小皿を添えると、食卓がより華やかになります。アフタヌーンティーでは、お正月らしい縁起物モチーフや色鮮やかな九谷焼など、バリエーション豊かな器が揃います。メインのプレートが丸型なら、四角やひょうたん型など違う形のお皿を合わせて、遊び心を取り入れるのもおすすめです。また、天然木のお箸は、千鳥と富士山のデザインの箸留めがそのまま箸置きにもなり、お正月気分をさらに盛り上げます。
定番のおせち料理も器選びや盛り付け、コーディネート次第でモダンな今っぽい仕上がりになります。贅沢なワンプレートおせちに、お好きな豆皿を組み合わせて、楽しく華やかなお正月を迎えませんか?